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arpに169.254.x.xが出てくる

自宅サーバの状況を見ていたら、169.254.185.142 という IP アドレスが ARP の一覧に出てくる。

MACアドレスを見ると、設置している Raspberry-Pi と同じ。

リンクローカルアドレス

以前にも同様のエントリーが出てきたことがあったので、改めて原因をしらべると、こちらに該当すると思われる解説記事。

DHCPの異常で、アドレスが得られない時に、暫定で割り振るIPアドレスみたい。その他の原因も考えられると説明があるが、実際数日間に DHCP の設定を触っていたから、出てきてもしかたがないかな。

間違ったARPエントリを消す

“arp -d 169.254.x.x”で、エントリーを消そうと思うがうまく消えてくれない。深く考えてもキリがないので、夜中にサーバの再起動させよう。

うまく消えないので、色々調べながら、以下のコマンドで消せた。

“ip -4 neigh del 169.254.x.x lladdr yy:yy:yy:yy:yy:yy dev eth0″

ネットワーク関連の基本

なぜか家族チームで Micro Hardening のイベントに参加予定なので、ネットワーク関連の基礎の説明を家族向けにまとめる。以下の説明は基本的に、Linux 環境に login してのお話。

ネットワークの確認(ifconfig)

接続しているネットワークの状態を確認するには、ifconfig を使う。(Linuxの場合)
Windows であれば、cmd.exe を起動して、ipconfig を使う。

((( Linux の場合 )))
$ ifconfig -a
eth0: flags=4163<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST>  mtu 1500
        inet 192.168.11.2  netmask 255.255.255.0  broadcast 192.168.11.255
        :
lo: flags=73<UP,LOOPBACK,RUNNING>  mtu 65536
        inet 127.0.0.1  netmask 255.0.0.0
        :
$ ifconfig eth0   # 特定のインタフェースだけ確認
eth0: flags=4163<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST>  mtu 1500
        inet 192.168.11.2  netmask 255.255.255.0  broadcast 192.168.11.255
        :
$ ip link    # 新しい Linux 系では、ifconfig が無い場合もある。
             # ip link がその代用

((( Windows の場合 )))
C:> ipconfig /all    # Linux の ifconfig -a と同じ

上記のコンピュータでは、IPアドレス(例:192.168.11.2)とサブネットマスクの値(255.255.255.0)が設定されている。IPアドレス AND サブネットマスクの値はネットワーク番号と呼ばれ、192.168.11.0 が同じであれば、同じサブネット内と判断できる。サブネットマスクは、上位bitの1の数で表現することもあり、192.168.11.2/24 という書き方もある。

こういったIPアドレスは、各コンピュータに対してあらかじめ決めた値を設定しておく方法(静的アドレス)と、IPアドレスを管理しているサーバにアドレスを一時的に貸し出してもらう方法(動的アドレス)があり、後者のアドレスを貸し出すサーバは、DHCPサーバと呼ばれる。(DHCPでは、アドレス貸し出しを頼んできた端末に、IPアドレス,サブネットマスク,ゲートウェイ,DNSサーバを通知してくれる。後述)

周囲のコンピュータの確認(arp/ping)

基本、インターネットでは IP アドレスで通信相手を判断するが、同じサブネット内では、各コンピュータに割り振られているMACアドレスでコンピュータを識別している。

arp

このため、同じサブネット内では、IPアドレスとMACアドレスの対照表が必要となってくる。この対照表の情報を交換するためのプロトコルが ARP であり、この対照表を確認・操作する命令が arp コマンド。

$ arp -an    # -a で全ての一覧を表示、-n でホスト名を調べない
? (192.168.11.24) at <不完全> on eth0
? (192.168.11.13) at 62:84:bd:28:xx:xx [ether] on eth0
? (192.168.11.36) at b8:27:eb:ee:xx:xx [ether] on eth0
:
$ ip neigh   # 新しい Linux 系では arp コマンドがない場合もある。
             # ip neigh が替わりになる。

ただし、コンピュータが「このMACアドレスは私のIPアドレスですよ」とアナウンスした結果を一定時間覚えているだけなので、かならずそのコンピュータが生きているかは別の話。サブネットの中で、偽のARPを流すことで他のコンピュータ宛のパケットを盗むことも可能(ARPスプーフィング)である。このため、セキュリティ対策としてMACアドレスとIPアドレスの対応(arp)を監視も重要となる。

ping

ping は、潜水艦のソナー音をイメージするコマンドで、ICMPプロトコルのパケットを、指定した IP アドレスor ホスト名に送って、返答の有無や応答時間を表示する。ping では通常、相手に連続してパケットを送る。ネットワークが不安定な場合には、パケットが相手に届かない場合もあるので、パケット欠落があると icmp_sec= の番号が不連続になる。

$ ping 192.168.11.2
PING 192.168.11.2 (192.168.11.2) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 192.168.11.2: icmp_seq=1 ttl=64 time=0.054 ms
^C
$ ping www.google.com
PING www.google.com (172.217.161.228) 56(84) bytes of data.
64 bytes from kix06s05-in-f4.1e100.net (172.217.161.228): icmp_seq=1 ttl=54 time=5.62 ms
64 bytes from kix06s05-in-f4.1e100.net (172.217.161.228): icmp_seq=2 ttl=54 time=5.89 ms
64 bytes from kix06s05-in-f4.1e100.net (172.217.161.228): icmp_seq=3 ttl=54 time=5.93 ms
^C

ただし ping は、特殊な ICMP パケットを送ることで相手コンピュータを攻撃できた事例もあり、返答を返さないシステムもある。

ブロードキャストパケット(ping -b)

IPアドレスで、サブネットマスクとANDをとったネットワーク番号の残りの部分は、ホスト番号と呼ばれる。(例:192.168.11.2/24 であれば、2 の部分) IPアドレスでホスト番号の全bitが1のアドレス(この場合は、192.168.11.255)は、ブロードキャストアドレスと呼ばれ、同じサブネット内の全部のコンピュータにデータを送るときに使う。

((( pingでブロードキャストする場合は、-b オプションが必要 )))
$ ping -b 192.168.11.255
WARNING: pinging broadcast address
PING 192.168.11.255 (192.168.11.255) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 192.168.11.19: icmp_seq=1 ttl=64 time=70.5 ms
64 bytes from 192.168.11.18: icmp_seq=1 ttl=64 time=70.8 ms (DUP!)

ルーティング

インターネットでは、コンピュータに固有のIPアドレスを割り振り、サブネットを越えて通信ができる。(インターネットプロトコルIP)

基本的に、通信相手のIPアドレス AND サブネットマスク で求まるネットワーク番号が異なれば、サブネットが異なるので直接通信ができない。この場合は、ルータにパケットの中継を依頼することになる。ルータはゲートウェイとも呼ばれる。

ルータは、複数のサブネットを中継する装置であり、どのネットワーク番号ならばどのルータに送る(ルーティングと呼ぶ)というテーブルを持っている。一般的に、下流の末端のネットワークでは、どのネットワークならこの装置、それ以外はこの装置に送る…といった一覧表を持っている。(静的ルーティング)

一方、様々な末端からのデータが集まる上流のルータでは、末端ネットワークの構成が変化することも多いので、RIPというプロトコルで、ルータが相互にルーティング情報を交換している。(動的ルーティング)

ルーティングの確認(netstat -r)

ルーティングの情報を調べるには、netstat -r コマンドを用いる。

$ netstat -rn   # -r ルーティング情報 -n ホスト名を調べない
カーネルIP経路テーブル
受信先サイト     ゲートウェイ    ネットマスク      フラグ   MSS Window  irtt インタフェース
0.0.0.0        192.168.11.1  0.0.0.0         UG        0 0          0 eth0
192.168.11.0   0.0.0.0       255.255.255.0   U         0 0          0 eth0

$ ip route      # 新しい Linux 系では、ip route を使う

この例では、192.168.11.0/255.255.255.0 というサブネットでは直接通信ができ(ゲートウェイが0.0.0.0)、それ以外のパケット(受信先サイトが0.0.0.0)は 192.168.11.1 のルータに送ることになっている。(デフォルトゲートウェイ)

ルートの確認 traceroute

どういった経路で相手コンピュータまでデータが届いているのかを確認するには、traceroute コマンドを用いる。

traceroute コマンドは、ルーティングを調べながら、各ルータに ping を送った結果を表示する。

((( Linux の場合 )))
$ traceroute www.fukui-nct.ac.jp
traceroute to www.fukui-nct.ac.jp (104.215.53.205), 30 hops max, 60 byte packets
 1  xxxx.xxxx.xxxx (192.168.xx.1)  0.299 ms  0.251 ms  0.354 ms
 2  yyyy.yyyy.yyyy (192.168.yy.254)  0.790 ms  1.976 ms  1.343 ms
 3  ttn103-198-212-1.ttn.ne.jp (103.198.212.1)  4.304 ms  5.127 ms  4.343 ms
 4  ftth-sw1-po-11.ntwk.ttn.ne.jp (202.127.81.33)  3.742 ms  5.580 ms  4.296 ms
 5  core-sw2-la-2.ntwk.ttn.ne.jp (202.127.81.29)  5.477 ms  4.692 ms  4.655 ms
 6  bbr2-2-4.ntwk.ttn.ne.jp (202.127.81.17)  4.895 ms  2.025 ms  1.904 ms
 7  103.246.232.116 (103.246.232.116)  6.707 ms  5.499 ms  6.583 ms
((( Windows の場合 )))
C:> tracert www.fukui-nct.ac.jp  # Windowsではコマンド名が違うので注意

DNSによる名前解決

ここまでの話の中で、IPアドレスは、192.168.11.123 といった値であったが、極めて覚えにくい。このために、コンピュータそれぞれに名前をつけることができる。これをホスト名という。ホスト名も組織化されていると、組織を区別する名前が必要でドメイン名と呼ぶ。ホスト名とドメイン名の全体を単純にホスト名とかコンピュータ名と呼ぶことも多いが、正式には、FQDN と呼ぶ。

FQDN = www.fukui-nct.ac.jp (コンピュータ名とかドメイン名と呼ぶことも多い)
ホスト名 = www
ドメイン名 = fukui-nct.ac.jp

コンピュータ名とIPアドレスの情報を管理するのが、DNS(Domain Name Service) であり、下流の DNS の情報を調べながら 上流の DNS と組み合わされて管理されている。

nslookup or dig

この DNS に問い合わせを行うのが nslookup コマンドや dig コマンドである。コンピュータ名からIPアドレスを調べるには、一般的には nslookup コマンドを用いる。(正引き)

$ nslookup www.fukui-nct.ac.jp
Server:		192.168.11.xxx
Address:	192.168.11.xxx#53

Non-authoritative answer:
Name:	www.fukui-nct.ac.jp
Address: 104.215.53.205

$ dig www.fukui-nct.ac.jp   # もっと詳しい情報を調べる場合はdigを使う

利用者が多いサービスでは、1台のコンピュータで処理するのは大変なので、負荷分散を行うために、同じサービスを提供するコンピュータを何台も並べ、コンピュータ名を調べる度に、その複数のコンピュータのIPアドレスを返す場合もある。(ラウンドロビンDNS)

逆引き

迷惑メールを大量に送ってくるとか、クラッキングをしてくるようなコンピュータの中には、きちんと管理されていない怪しいネットワーク組織からの接続の場合がある。こういう場合には、IPアドレスに対して名前が割り振られていない場合も多い。また、攻撃の踏み台に使われている場合、どういった組織のコンピュータが悪用されているのか調べる必要がある。こういう場合には、IPアドレスからコンピュータ名を調べることも多い。(逆引き)

$ nslookup 192.156.146.100
100.146.156.192.in-addr.arpa	name = sv1.ip.fukui-nct.ac.jp.

$ dig -x 192.156.146.100      # dig で逆引きするときは、-x オプションが必要

逆引きでホスト名が調べられないとか、逆引きしたホスト名で再びIPアドレスを調べるとホスト名が異なる場合は、IPアドレスとドメイン名の管理が怪しい危険なコンピュータの可能性がある。場合によっては、DNSサーバが汚染されていて、コンピュータ名でアクセスしたら悪意のあるサーバに接続される危険性もある。(DNSポイズニング)

パブリック DNS

末端組織のDNSの場合、IPアドレスは組織内でしか使えないプライベートアドレス(例:10.xx.xx.xx , 192.168.xx.xx)の場合、組織内専用の DNS が動いていることが多い。この場合、組織内の DNS と組織外の DNS では、異なる情報が得られる場合もある。

こういう場合は、DNS に問い合わせをする場合に、外部の DNS を指定する。特に、Google パプリック DNS は、DNSサーバのIPアドレスが 8.8.8.8 という覚えやすい値が使われている。

$ nslookup 192.156.146.100 8.8.8.8
100.146.156.192.in-addr.arpa	name = sv1.ip.fukui-nct.ac.jp.

$ dig @8.8.8.8 192.156.146.100      # dig でDNSサーバを指定するときは、@の後ろで指定

DNS の特殊な情報

DNS には、IPアドレスとホスト名以外にも、様々な情報が登録されている。この情報を調べるには、タイプを指定する。(-query=タイプ のオプションをつける)

$ nslookup -query=a www.google.com 8.8.8.8     # IPv4 アドレスを調べる
Name:	www.google.com
Address: 216.58.199.228

$ nslookup -query=aaaa www.google.com 8.8.8.8  # IPv6アドレスを調べる
Name:	www.google.com
Address: 2404:6800:400a:80c::2004

$ nslookup -query=mx fukui-nct.ac.jp 8.8.8.8   # メールを送るサーバを調べる  
fukui-nct.ac.jp	mail exchanger = 10 ews.ip.fukui-nct.ac.jp.

$ nslookup -query=txt tsaitoh.net 8.8.8.8      # その他のTXT情報を調べる
tsaitoh.net	text = "v=spf1 +ip4:xx.xx.xx.xx..."
  # この例では、メールサーバの検証方法 SPF の情報が見れた。

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